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プログラミング、Web開発について

24歳でプロジェクトマネージャ試験に合格した

要約

2011年春にIPAのプロジェクトマネージャ試験(以下、PM試験)を受けて合格した。

先に言っておくと、本エントリーの短い結論は「大量に論文書きまくれば誰でも合格可能」である。

以下では、実務経験ゼロの人間が挑むという前提で、PM試験に合格するための方法論を解説する。

以下のようなコンテンツも用意したのであわせて参照されたし。

私について

受験時の年齢は 24 歳で、点数は以下の通りだった。

午前I 午前II 午後I 午後II
免除 84点 66点 A

IPA の資格は基本情報と応用情報を取得済み。

初めて受ける高度試験にPMを選んだ形になる。

勉強時間は約 50 時間だった。

また受験は一発合格で、予備校などは通っていない。

傾向

まずPM試験の客観的な概要について把握しておこう。

PM試験の想定している受験者像はリーダーやマネージャーを実務で何度も経験している人間である。 毎年の合格平均年齢は40代前後となっている。

ただし受験するだけなら実務経験は必須ではない。 確か10年以上前は経歴書みたいな物が必要だったのだが、いつからか制限が外れたようだ。

試験科目

試験科目は、

  • 午前I : 選択式
  • 午前II: 選択式
  • 午後I: 記述式(20文字~50文字)
  • 午後II: 論述式(2000文字~3000文字前後)

となっている。各科目について簡単に解説しよう。

午前I

他の高度試験と共通の内容である。 一定期間内に合格済みであるか、応用情報技術者に合格していれば免除になる。

私の受験した会場では、これを受けていたのは全体の2割にも満たなかったように思う。

午前II

短い出題文を読んで回答を選択する形式の問題。 午前I と似たような形式だが問題のチョイスがマネジメント寄りになっているという違いがある。

難易度的には簡単で、通勤の行き帰りに参考書を読むだけで攻略可能である。

午後試験攻略のための知識はほぼ全てここで入手できるので、毎日少しずつ勉強すると良い。

午後I

文章問題に対して短文を記述して回答する。

20文字~50文字くらいの文章を大量に書くことになるのだが、これが結構つらい。 必要事項を最小限の言葉で説明する必要があり、論文とは逆の意味で難しいのだ。

午後II

今まで経験したプロジェクトについて2000文字~3000文字程度の論文を書く。

複数の問題文(お題)が出され、好きなものを選べるようになっている。

論文の構成はほとんど毎回同じであり、

  1. プロジェクトの概要
  2. プロジェクトの問題点と対応策
  3. 対応の評価と今後の改善

である。

勉強方法

次に、私が使った参考書とその使い方を順に記していく。

プロジェクトマネージャ完全教本 2011年版

これ一冊でほとんど完璧な勉強ができる。素晴らしく完成度が高い本。

本書を開くとまず目に付くのは86ページにも及ぶ「試験攻略法」というコンテンツである。 試験範囲、勉強方法、最近の傾向といった内容を懇切丁寧に解説してくれる。 驚くべきことに論文練習用の問題用紙まで用意してある。

PM試験に挑む人は「なんだか難しそうだなぁ」という不安を抱えがちだが、 この至れり尽くせりの序論を読めばやる気がメラメラ湧いてくるだろう。

著者は長年PM試験の講師をしてきたというだけあって、 とても実用的な内容となっている。

ただ一つ欠点を挙げるとすれば、論文のサンプル数が少ないことである。

私のような実務経験が無い者には、大量のサンプルを読みこなして 合格ラインを手さぐりしていくしか方法が無いので、補助的な参考書がもう一冊欲しいと感じるだろう。

プロジェクトマネージャ合格論文の書き方・事例集

本書は徹頭徹尾、論文問題のサンプルを掲載してある本である。

掲載問題数15, 掲載サンプル数30という凄まじい充実ぶりだ。 上述の完全教本を補完するために生まれてきたとしか思えない。

さらに嬉しいことに、同一の問題に対して複数の著者が論文を書いているケースが多く、 大量のインプットにはうってつけの構成となっている。

本書の内容を隅から隅まで読みきれば、実務経験ゼロでも「脳内設定」を完璧に構築し、 ベテランPMさながらの論文が書けるようになるだろう。

論文の練習方法

さて、次はPM試験の最大の難関である論文の練習方法だ。

エントリーの最初にも書いたが、一言でいうと「大量に論文を書く」である。

とはいえいきなり3000文字に及ぶ論文を書ける人間などいないから、 まずは上記の完全教本の「試験攻略法」を読み込んでほしい。

その上でまずは徹底した脳内設定を作り出そう。

例えば、

  • 私は独立系 SIer のN社に務めるSE
    • 独立系なので自社内に開発要員を持つ
    • ユーザ系とは社内事情が異なる
  • A社会計システムのリプレースプロジェクトのPMに任命された
    • 会計システムは納期厳守が常識
    • リプレースプロジェクトなので現行システムとの整合性が大事
    • A社の仕事を請け負うのは初めてで、仕様把握が大変そう
  • A社はシステム公開時期をプレスリリースで発表済みである
    • 公開日を絶対にずらせない
    • どうしても遅延するなら機能の段階稼働などの手法に頼る
  • リプレースにはN社の新製品であるパッケージソフトを利用する
    • 新製品なのでノウハウが少ない
    • パッケージソフトなので基盤を作った担当者が社内にいるはず
  • ・・・

こういった設定を元に、出題されたお題にあわせた文章をひねり出すのである。

論文の一覧 を見れば、私がほとんどの論文で上記の設定を使用していることが分かるだろう。

他にもいくつかコツがあるので、完全教本から抜粋する。

  • 論文を書く時にはきっちり2時間計ってやる
  • 設定を頭に叩きこむ(脳内設定でも実務経験でもよい)
  • プロジェクトの評価は常に80点を意識する
    • おおむね上手くいったが、反省点もあったというのが王道の書き方
  • 論文の全体を一本の糸でつなげよう
    • 「こういう問題があったのをこうやって解決しました」というのが論文の趣旨なので、それに関係する内容だけを盛り込む
  • 教科書的(定石)の対処をしつつも、独自の工夫点も混ぜると高評価

結論

色々と伝えたいことがあって上手くまとまらなかったが、 上記に書いてあることを意識すれば誰でもPM試験は合格可能だと思う。

受験者の平均年齢が高いせいか、いままでPM試験についてはウェブ上にほとんど情報がなかった。 「受かった」「落ちた」というだけの記事ならいくらでも見つかるのだが、 論文のサンプルまで載せている人は皆無である。

本エントリにより、そんな状況を少しでも解決できたらと思う。

ここまで読んでいただいてありがとう。

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